中古物件は金融機関からの評価が厳しい……!?
まずは中古物件の融資状況についてです。中古物件の融資を経験したことのある投資家も多いと思いますが、非常に厳しいです。なぜなら金融機関は法定耐用年数を基準に積算評価法で融資期間を決めているからです。最近では収益還元法にて物件を評価する金融機関が増えたとも言われていますが、まだまだ担保価値を基準としている金融機関が大半です。
マイナス金利の影響で融資条件の緩和を期待した方もいらっしゃると思いますが、中古物件においては変わっていないと言えるでしょう。実際に私も、中古物件を購入するために地銀1行と信用金庫2行から融資審査を受けましたが、いずれも融資不可となりました。
利回り10%以上で立地も良いRC物件でしたので、返済期間さえ確保できれば確実に利益が取れると踏んでいましたが、土地が狭い上に土地単価もイマイチ良くなかったため「担保価値が基準に達しない」という理由でした。
中古物件では、融資が引けたとしても自己資金が1割必要だったり、返済期間が10年と短期間なんて状況も多くあります。中古物件では建物内部の調査できない部分がどれ程傷んでいるのか、建築士でも判断することができません。そのため、何年耐久できるのか正確な判断ができず、短い返済期間となってしまうのです。
一部の地銀では築古でも30年返済でオーバーローンが可能なところもあるようですが、金利が高いため、収支を悪化させてしまう可能性もあるのです。
新築物件なら融資が優位になる理由とは?
さて、それでは新築物件の融資状況はどうなのでしょう。新築物件を販売しているデベロッパーに融資状況を聞いてみたところ、最近はマイナス金利に伴い地方銀行の融資姿勢が旺盛のため、提携できる銀行が増え、一部地銀では金利も2%程度のところも。
実際に聞いた事例では年収400万円のサラリーマンが新築収益物件の購入に成功、「金利2.1%、フルローン、返済期間35年」という条件で融資が引けたとのことです。一昔前まではサラリーマンの年収600万円以上が基準と言われていただけに、低金利時代の影響が出ていると言えそうです。
新築物件は、建築物の評価がしやすく最新の法令に準拠しているため、金融機関にとっても安心して融資できると言えるのでしょう。軽量鉄骨や木造も新築物件であれば、法定耐用年数以上の30年や35年の融資を引くこともできます。
依頼した業者に金融機関を紹介してもらえることもありますので、苦労して事業計画書などの資料を作成して金融機関巡りをしなくても済むなんてケースもあります。
物件価格が高騰している今、中古よりも新築物件の方が優位?
ここ数年は、物件価格の高騰から中古よりも新築物件の優位性が顕著になっています。なぜなら新築と変わらないような利回り1桁台の中古物件も多いため、それであれば融資条件もよく、修繕費用などの持ち出しが少ない新築の方が収益性が高いのです。
新築物件は土地を買ってその上に建物を建て、ゼロから入居者を募集していかなければならないので、中古物件と比較すると敷居が高いと思われがちですが、良い不動産会社や建築会社とパートナーになれればそれ程難しい話でありません。
土地探しから融資、設計、施工、客付、管理まで一括して請負ってくれる業者や、建売的な完成品を販売するデベロッパー物件、土地購入から建物竣工までの間、融資返済を一時的にサポートしてくれるところもあります。
中古物件を買うような感覚や労力で新築物件を手に入れることもできます。ご自身の状況に適した提案をしてくれる業者を探すことが、新築においては成功のヒケツと言えそうです。
土地をお持ちの方は、いくらでどんな建物を建てることができるのか? まだ土地をお持ちでない方は、希望のエリアで土地探しから手伝ってくれる会社はどんなところがあるのか?まずは複数社に相談してみると、思いもよらない好条件で新築物件を手に入れることができるかもしれません!